無職の花子さん退職が決まったら「引継ぎ」以外に何かすることはあるのかしら?



退職日までにいくつか確認しておきたいことがあるので一緒に見ていきましょう。
最終更新:2026年5月
退職前にやることを整理しておく


会社を辞めるときは、退職日までに行う準備と、退職後に必要になる手続きを分けて整理すると分かりやすくなります。
退職時には、退職日の調整、引き継ぎ、会社への返却物、必要書類の受け取り、健康保険や年金の切り替えなど、確認することが多くあります。
特に、離職票・源泉徴収票・退職証明書などは、失業保険や転職先の手続きに関係するため、受け取り漏れがないよう注意しましょう。
退職後に慌てないためにも、退職前の段階で「何をいつまでに行うのか」を整理しておくことが大切です。
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退職の意思はまず直属の上司へ早めに伝える
退職を決めたら、まずは直属の上司へ退職の意思を伝えるのが一般的です。
民法では、期間の定めがない雇用契約の場合、退職の申し入れから2週間で雇用契約が終了するとされています。
ただし、実際の職場では、引き継ぎや人員調整が必要になるため、急な退職申し出はトラブルにつながる場合があります。
円満退職を目指すのであれば、就業規則を確認したうえで、退職希望日の1〜3か月前を目安に相談するケースが多くなっています。
会社によっては、「1か月前までに申し出ること」などのルールが定められている場合もあるため、まずは就業規則を確認しておきましょう。
退職理由は簡潔に伝える
退職理由は、細かく説明しすぎる必要はありません。
転職、家庭の事情、体調面、働き方の見直しなど、人によって理由はさまざまですが、感情的にならず冷静に伝えることが大切です。
職場への不満を強く伝えすぎると、退職日や引き継ぎの調整がスムーズに進まなくなる場合があります。
特に、退職直前は手続きが増えるため、必要以上に関係を悪化させないよう注意しましょう。
退職届・退職願が必要か確認する
自己都合退職の場合は、会社から退職届や退職願の提出を求められることがあります。
提出先は会社によって異なり、直属の上司へ提出する場合もあれば、人事担当へ提出するケースもあります。
また、「退職願」と「退職届」は同じように扱われることもありますが、会社によって運用が異なる場合があります。
会社都合退職や契約期間満了の場合は、必ずしも退職届が必要とは限りません。
会社都合退職の場合は退職届の内容に注意する
会社都合退職なのに、「一身上の都合により退職します」と記載された退職届を提出すると、自己都合退職として扱われる原因になる場合があります。
特に、次のようなケースでは注意が必要です。
・解雇
・退職勧奨
・雇止め
・労働条件の大幅な変更
・長時間労働や賃金未払いによる退職
離職理由は、失業保険の給付制限や給付日数にも影響する場合があります。
自己都合退職と会社都合退職で失業保険がどう変わるかは、自己都合退職と会社都合退職の違い|失業保険への影響とはも参考にしてください。
退職理由に納得できない場合は、提出前にハローワークや労働基準監督署へ相談することも検討しましょう。
業務の引き継ぎは退職前に整理しておく
退職日までに、担当業務を後任者や職場へ引き継ぐ必要があります。
後任者が決まっていない場合もあるため、誰が見ても分かる状態で資料を残しておくことが大切です。
特に、取引先とのやり取りや進行中の案件は、口頭だけで済ませず、資料として整理しておくと退職後のトラブルを防ぎやすくなります。
引き継ぎでは、次のような内容をまとめておきましょう。
・担当業務の内容
・進行中の案件
・取引先や社内担当者の連絡先
・対応中のトラブルや注意点
・資料やデータの保存場所
・毎月・毎週行う定期業務
引き継ぎ不足は、退職後の問い合わせやトラブルにつながりやすいため注意しましょう。
取引先や関係者への挨拶は会社方針を確認する
取引先や社外関係者とやり取りしている場合は、退職前に挨拶を行うケースがあります。
ただし、退職を伝えるタイミングや範囲は、会社方針に従うことが大切です。
自分の判断だけで取引先へ伝えると、会社側の引き継ぎ方針とズレる場合があります。
後任者が決まっている場合は、後任者の紹介もあわせて行うとスムーズです。
退職日に会社へ返却するものを確認する
退職時には、会社から借りていた物や業務に関する物を返却します。
返却漏れがあると、退職後に会社から連絡が来たり、場合によってはトラブルになったりすることがあります。退職日が近づいたら、返却物を一覧にして確認しておきましょう。
退職時に返却する主なもの
退職時に返却することが多いものは、次のとおりです。
・社員証、IDカード、入館証
・会社用のパソコン、スマートフォン、タブレット
・制服、作業着、名札
・会社から支給された備品
・業務用の書類、マニュアル、データ
・取引先から受け取った名刺
・健康保険証や資格確認書
健康保険証については、2025年12月2日以降は従来の健康保険証が使えなくなり、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行しています。ただし、資格確認書を持っている場合は、退職時に返却が必要になることがあります。
協会けんぽでも、2025年12月2日以降の退職では健康保険証の返却は不要とされる一方、有効期限内の資格確認書は返却が必要と案内されています。
退職時の医療保険の扱いは、会社が加入している健康保険によって案内が異なる場合があるため、人事・総務に確認しておきましょう。
会社から受け取る書類を確認する
退職時・退職後には、会社から受け取る重要な書類があります。
これらの書類は、失業保険、健康保険、年金、転職先での手続き、確定申告などに関係します。すぐに届かない書類もあるため、いつ頃受け取れるのか確認しておきましょう。
離職票
離職票は、失業保険にあたる雇用保険の基本手当を受けるときに必要な書類です。
会社は、従業員が退職して雇用保険の被保険者でなくなった場合、原則として資格喪失の手続きを行います。雇用保険の手続きでは、被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内に、会社がハローワークへ資格喪失届などを提出することになっています。
また、2025年1月20日からは、希望する人が一定の条件を満たす場合、離職票をマイナポータルで受け取れる仕組みも始まっています。
失業保険の手続きをする予定がある人は、退職前に「離職票が必要です」と会社へ伝えておくと安心です。
失業保険の手続きで必要な書類や持ち物は、失業保険の手続きに必要な持ち物|ハローワーク初日の準備と必要書類も参考にしてください。
源泉徴収票
源泉徴収票は、転職先の年末調整や確定申告で必要になる書類です。
年の途中で退職した場合、会社は原則として退職後1か月以内に交付することになっています。
転職先が決まっている場合は、新しい勤務先へ提出するケースが多いため、紛失しないよう保管しておきましょう。
退職証明書
退職証明書は、退職した事実や退職理由などを証明する書類です。
労働者が請求した場合、会社は遅滞なく交付しなければならないとされています。
次のような場面で必要になることがあります。
・国民健康保険への切り替え
・転職先への提出
・退職理由の確認
・各種手続きの証明
必要になる可能性がある場合は、退職前に確認しておきましょう。
雇用保険被保険者証・年金関係の書類
雇用保険被保険者証は、転職先で雇用保険に加入するときに必要になる場合があります。
また、会社へ年金関係の書類を預けている場合は、退職時に返却されるか確認しておきましょう。
現在は基礎年金番号通知書で管理されるケースもありますが、会社によって管理方法が異なる場合があります。
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退職後の健康保険を確認する
退職後すぐに転職しない場合は、健康保険の切り替えが必要になります。
主な選択肢は次のとおりです。
・転職先の健康保険へ加入する
・国民健康保険へ加入する
・任意継続被保険者制度を利用する
・家族の扶養へ入る
どの方法がよいかは、収入や扶養条件、保険料によって変わります。
無保険期間を作らないよう、退職前に確認しておくことが大切です。
任意継続は申請期限に注意する
任意継続被保険者制度を利用する場合は、原則として退職日の翌日から20日以内に申請が必要です。
期限を過ぎると加入できない場合があるため注意しましょう。
また、任意継続では、会社負担分も含めて保険料を自己負担するため、退職前より保険料が高く感じる場合があります。
国民健康保険と比較しながら確認しておくと安心です。
退職後は国民年金の切り替えが必要になることがある
退職後すぐに厚生年金へ加入しない場合は、国民年金への切り替えが必要になる場合があります。
原則として、退職日の翌日から14日以内に市区町村で手続きを行います。
転職まで期間が空く場合や、家族の扶養へ入る場合など、状況によって必要な手続きが変わります。
不明点がある場合は、市区町村や年金事務所へ確認しましょう。
住民税の支払い方法も確認しておく
住民税は、前年の所得に対して課税されるため、退職後も支払いが続く場合があります。
退職時期によっては、最後の給与から一括徴収されるケースもあれば、自分で納付する普通徴収へ切り替わる場合もあります。
退職後に「思ったより支払いが多い」と感じる人も多いため、退職前に会社へ確認しておきましょう。
有給休暇の残日数を確認する
退職前に有給休暇が残っている場合は、残日数と取得スケジュールを確認しましょう。
年次有給休暇は、労働者が請求する時季に取得するのが原則です。会社には時季変更権がありますが、退職予定者の場合、退職日より後に有給休暇の時季を変更することはできないため、退職日までに取得できるよう調整する必要があります。
ただし、退職直前にまとめて有給を取る場合は、引き継ぎや最終出社日との調整が必要です。
有給休暇を消化したい場合は、退職日・最終出社日・引き継ぎ期間をセットで考えることが大切です。
有給消化で確認したいこと
有給休暇を使って退職する場合は、次の点を確認しましょう。
・有給休暇の残日数
・最終出社日
・退職日
・引き継ぎに必要な期間
・会社の申請ルール
「最終出社日」と「退職日」は同じとは限りません。有給消化に入る前の最後の出社日が最終出社日で、有給休暇を消化し終えた日が退職日になるケースもあります。
退職金や賞与の支給条件を確認する
退職金や賞与は、会社の就業規則や賃金規程によって扱いが変わります。
退職金制度がある会社では、支給条件、計算方法、支給時期などが就業規則や退職金規程に定められていることが一般的です。退職前に、自分が支給対象になるか確認しておきましょう。
賞与についても、会社ごとにルールが異なります。
賞与は「支給日に在籍」が条件の場合がある
賞与は法律で必ず支給が義務づけられているものではなく、会社の規定に基づいて支給されます。
そのため、就業規則や賃金規程に「賞与支給日に在籍している者を対象とする」と定められている場合、支給日前に退職すると賞与を受け取れないことがあります。
一方で、算定期間中に在籍していた人を対象にする会社もあります。
退職時期によって賞与の有無が変わる可能性があるため、退職日を決める前に会社の規定を確認しておきましょう。
退職金がある場合は申告書も確認する
退職金を受け取る場合は、「退職所得の受給に関する申告書」の提出が必要になることがあります。
この申告書を提出している場合、原則として退職金の支払時に税額が計算され、源泉徴収されます。一方、提出していない場合は、退職金の支給額に20.42%の税率で源泉徴収され、確定申告で精算が必要になる場合があります。
貸与物・データ・私物の整理を忘れない
退職前には、会社の物と自分の私物を分けて整理しておきましょう。
会社のパソコンやスマートフォンには、業務データ、顧客情報、社内資料などが入っていることがあります。これらを無断で持ち出したり、個人の端末に保存したりすると、情報漏えいなどの問題につながる可能性があります。
業務データは会社のルールに従って引き継ぎ、個人的なデータや私物は退職日までに整理しておきましょう。
退職後に必要な手続きを確認する
退職後は、仕事を辞めたあとに必要な手続きが出てくることがあります。
すぐに転職する場合と、しばらく仕事を探す場合では、必要な手続きが変わります。
退職後に確認したい主な手続きは、次のとおりです。
・失業保険の手続き
・健康保険の切り替え
・年金の切り替え
・住民税の支払い方法
・転職先への源泉徴収票の提出
・確定申告が必要かどうかの確認
特に、失業保険の手続きをする場合は、離職票が必要です。離職票が届かない場合は、会社に確認し、それでも解決しない場合はハローワークに相談しましょう。
離職票の退職理由や離職コードの見方は、離職コード一覧と見方|会社都合・自己都合で失業保険はどう変わる?も参考にしてください。
退職時にトラブルを防ぐための確認ポイント
退職時のトラブルは、退職理由、退職日、有給休暇、離職票、会社への返却物などで起こりやすくなります。
口頭だけでやり取りすると、後から「言った・言わない」になることがあります。重要な内容は、メールや書面など記録に残る形で確認しておくと安心です。
確認しておきたいポイント
退職前には、次の点を確認しておきましょう。
・退職日
・最終出社日
・有給休暇の残日数と取得予定
・退職届の提出が必要か
・会社から受け取る書類
・会社へ返却する物
・退職金や賞与の有無
・離職理由の扱い
退職理由に納得できない場合や、会社都合か自己都合かで意見が分かれる場合は、離職票の内容を確認し、必要に応じてハローワークへ相談しましょう。
退職理由や離職票をめぐるトラブルがある方は、退職時によくあるトラブルと対処法も参考にしてください。

