自己都合でも会社都合でも退職することに変わりはありませんが、失業保険の受給条件が変わってきます。
退職後のトラブルを避けるためにも退職理由の違いをきちんと理解しておきましょう。
自己都合による退職とは
自己都合退職とは、労働者が自分の意志によって会社を退職することです。
例えば、転職や妊娠、出産、介護、療養、引っ越しや仕事での極端に大きなトラブルや法を犯しての懲戒免職、懲戒解雇など、自身の都合によって会社を辞める場合は基本的に自己都合にあたります。
会社都合による退職とは
一方の会社都合退職とは、雇い主である会社の都合によって労働者が退職せざるを得ないケースを指します。
・倒産による解雇。
・会社の移転により通勤可能圏内が大きく変わる。
・上司や同僚からの極度な嫌がらせで業務に支障があった。
・予期しない賃金の大幅な低下や未払いあった。
・極端な時間外労働にも関わらず対策がなされない場合。
早期退職者制度によって希望退職も会社都合退職と見なされます。
会社都合による退職は、労働者には責任がなく生活の糧を失うことになることから、失業保険(基本手当)が自己都合の退職理由と比べて早く受けることができます。※例外は除きます。
会社都合退職のメリット
自己都合による退職と比べ、会社都合は失業保険(基本手当)の受給開始が3か月ほど早くなります。※自己都合でも例外がありますので詳しくは「離職コードの確認方法と見方」で確認ください。
失業保険を受給するには、自己都合では離職日前の2年間で通算12か月以上(各月11日以上)雇用保険の加入が条件になります。
しかし、会社都合退職では離職日前の1年間で通算6か月以上の雇用保険加入が条件になります。
さらに失業保険の支給日数に関しても自己都合退職は90日から最大で150日間ですが、会社都合の場合は90日から最大で330日間と大きな差があります。
会社都合退職のデメリット
会社都合による退職がデメリットになることはあるのでしょうか。
再就職の際に「会社都合で退職している」ことから、企業担当者にマイナスイメージを与えてしまう可能性があるという点です。
倒産や経営不振など明らかに非が無い理由での解雇なら仕方ありませんが、なかには「勤務態度が悪い」「懲戒解雇になった」等というケースがあるからです。
転職等の際にはきちんと退職理由が説明できるよう面接時の対策を考えておきましょう。
解雇予告手当について
企業は会社都合で労働者を退職させる場合、離職の30日以上前には通告をしなければなりません。
その予告をしなかった場合、会社側が30日以上分の平均賃金を解雇予告手当として支払わなければなりません。
非正規社員(派遣社員等)に関しても同様で、突然に派遣先から解雇と言われた場合、直ぐに派遣元に連絡してみましょう。
派遣元は直ぐに次の派遣先を紹介するか、それが難しい場合には解雇予告手当や休業補償の対象になる場合があります。