無職の花子さん会社を辞める時の理由って重要なのかしら?



失業保険(雇用保険)の手続きを予定している人は重要です。その理由について一緒に見ていきましょう。
最終更新:2026年5月
自己都合退職と会社都合退職で変わること


自己都合退職と会社都合退職では、退職理由だけでなく、失業保険を受け取るまでの期間や、受け取れる日数が変わる場合があります。
会社を辞める理由には、自分の意思で退職する「自己都合退職」と、倒産・解雇・事業縮小など会社側の事情で退職する「会社都合退職」があります。
どちらも退職であることに変わりはありませんが、雇用保険の基本手当、いわゆる失業保険を受ける場合は、離職理由の扱いがとても重要です。
特に、倒産や解雇などにより離職した人は「特定受給資格者」、やむを得ない理由で自己都合退職した人は「特定理由離職者」として扱われることがあります。
この扱いによって、給付制限の有無、受給に必要な雇用保険の加入期間、失業保険の支給日数が変わる場合があります。
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自己都合退職とは
自己都合退職とは、労働者本人の意思や事情によって会社を辞める退職のことです。
転職、家庭の事情、結婚、出産、介護、引っ越し、体調不良、人間関係の悩みなど、自分側の事情で退職する場合は、基本的に自己都合退職として扱われます。
ただし、自己都合退職と書かれていても、すべて同じ扱いになるわけではありません。
病気、けが、家族の介護、配偶者の転勤など、やむを得ない事情がある場合は、雇用保険上の「特定理由離職者」に該当することがあります。
自己都合退職の主な例
・転職のために退職した
・結婚や出産をきっかけに退職した
・家庭の事情で退職した
・家族の介護が必要になり退職した
・引っ越しや配偶者の転勤により退職した
・体調不良により退職した
・職場の人間関係が理由で退職した
ポイントは、退職理由が「本人側の事情」かどうかです。
ただし、正当な理由がある場合は、一般的な自己都合退職とは異なる扱いになる可能性があります。
会社都合退職とは
会社都合退職とは、会社側の事情によって、労働者が退職せざるを得なくなるケースです。
代表的なものには、倒産、解雇、リストラ、事業所の閉鎖などがあります。
雇用保険では、倒産や解雇などにより再就職の準備をする時間がないまま離職した人は、「特定受給資格者」として扱われることがあります。
会社都合退職に該当すると、自己都合退職よりも早く失業保険を受け取れる場合や、支給日数が長くなる場合があります。
会社都合になるケースとは
・会社の倒産
・解雇
・経営不振によるリストラ
・事業所の閉鎖
・退職勧奨に応じて退職した場合
・賃金の大幅な低下や未払いがあった場合
・長時間労働が続いていた場合
・ハラスメントなどにより働き続けることが難しくなった場合
ただし、これらに近い事情があっても、必ず会社都合として扱われるとは限りません。
最終的な離職理由の判断は、離職票の内容や本人の申し出、確認資料などをもとにハローワークが行います。
自己都合退職と会社都合退職の違い
自己都合退職と会社都合退職で大きく変わるのは、主に次の3つです。
・給付制限があるかどうか
・失業保険を受けるために必要な雇用保険の加入期間
・失業保険を受け取れる日数
特に重要なのは、失業保険をいつから受け取れるかという点です。
失業保険はいつからもらえる?給付制限の違い
自己都合退職の場合、失業保険をすぐに受け取れないことがあります。
2025年4月1日以降に、正当な理由のない自己都合で退職した場合、給付制限期間は原則1か月です。以前は原則2か月でしたが、制度改正により短縮されています。
一方、会社都合退職や特定受給資格者に該当する場合は、原則として給付制限がありません。
そのため、会社都合退職のほうが、自己都合退職より早く失業保険を受け取れる可能性があります。
給付制限が3か月になるケース
自己都合退職でも、すべてが1か月の給付制限になるわけではありません。
次のような場合は、給付制限が3か月になることがあります。
・退職日からさかのぼって5年間に、2回以上、正当な理由のない自己都合退職で受給資格決定を受けている場合
・自分に重大な責任がある理由で解雇された場合
つまり、同じ自己都合退職でも、退職理由や過去の受給状況によって扱いが変わります。
雇用保険の加入期間の違い
失業保険を受けるには、一定期間、雇用保険に加入している必要があります。
自己都合退職など一般的な離職の場合は、原則として、離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上必要です。
失業保険を受け取るための基本条件は、失業保険の受給条件とは?加入期間や自己都合退職を解説も参考にしてください。
一方、会社都合退職や特定受給資格者、一定の特定理由離職者に該当する場合は、離職日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上あれば、受給資格を得られる場合があります。
会社都合退職や特定理由離職者は、自己都合退職より受給条件が緩和される場合があります。
失業保険の支給日数はどれくらい違う?
失業保険を受け取れる日数は、退職理由、年齢、雇用保険に加入していた期間などによって決まります。
自己都合退職など一般の離職者の場合、所定給付日数は原則90日から150日です。
一方、会社都合退職や特定受給資格者に該当する場合は、年齢や加入期間によって90日から最大330日になることがあります。
そのため、会社都合退職のほうが、自己都合退職より支給日数が長くなるケースがあります。
ただし、すべての会社都合退職で必ず長くなるわけではありません。
実際の日数は、年齢や雇用保険の加入期間によって変わるため、ハローワークで確認することが大切です。
失業保険の金額や受給期間の目安を知りたい方は、失業保険はいくらもらえる?計算方法と受給期間も参考にしてください。
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特定受給資格者と特定理由離職者の違い
自己都合退職と会社都合退職を理解するうえで、「特定受給資格者」と「特定理由離職者」も押さえておく必要があります。
特定受給資格者とは
特定受給資格者とは、倒産や解雇などにより、再就職の準備をする時間がないまま離職した人のことです。
主な例は次のとおりです。
・倒産により退職した
・解雇された
・事業所が廃止された
・賃金の大幅な低下や未払いがあった
・長時間労働が続いていた
・ハラスメントなどにより退職せざるを得なかった
特定受給資格者に該当すると、給付制限がなく、支給日数も手厚くなる場合があります。
特定理由離職者とは
特定理由離職者とは、自己都合退職ではあるものの、やむを得ない理由があると判断される人のことです。
主な例は次のとおりです。
・病気やけがにより退職した
・妊娠、出産、育児により退職し、受給期間延長措置を受けた
・家族の介護など家庭の事情が急変した
・配偶者の転勤などで通勤が難しくなった
・有期契約で更新を希望したが、契約更新されなかった
自己都合退職と書かれていても、事情によっては特定理由離職者に該当する可能性があります。
会社都合退職のメリット
会社都合退職の大きなメリットは、失業保険の面で自己都合退職より有利になる場合があることです。
主なメリットは次のとおりです。
・給付制限がない場合が多い
・自己都合退職より早く失業保険を受け取れる可能性がある
・受給に必要な雇用保険の加入期間が短くなる場合がある
・支給日数が長くなる場合がある
突然仕事を失った人の生活を支えるため、会社都合退職や特定受給資格者には、一般の自己都合退職より手厚い扱いが用意されています。
会社都合退職の注意点
会社都合退職そのものが、必ず転職で不利になるわけではありません。
ただし、面接で退職理由を聞かれたときに、説明の仕方によっては印象が悪くなることがあります。
特に、前職への不満を感情的に話しすぎると、採用担当者に不安を与える可能性があります。
面接では事実を簡潔に伝える
会社都合退職の場合は、事実を短く伝えたうえで、今後の働き方に話をつなげると自然です。
・会社の事業縮小により退職しました
・部署閉鎖に伴い退職となりました
・会社都合で退職しましたが、これまでの経験を活かして働きたいと考えています
退職理由を説明するときは、前向きな姿勢もあわせて伝えることが大切です。
離職票の退職理由は必ず確認する
失業保険の手続きでは、離職票に記載された退職理由が重要になります。
離職票の退職理由や離職コードの見方は、離職コード一覧と見方|会社都合・自己都合で失業保険はどう変わる?も参考にしてください。
会社が自己都合退職として離職票を作成していても、実際の事情によっては、会社都合退職や特定理由離職者に該当する場合があります。
特に、次のような事情がある場合は注意が必要です。
・退職勧奨を受けて退職した
・賃金未払いがあった
・労働条件が当初の説明と大きく違っていた
・長時間労働が続いていた
・ハラスメントが原因で退職した
・契約更新を希望していたのに更新されなかった
離職票の内容に納得できない場合は、自己判断せずハローワークに相談しましょう。
相談時に役立つ資料
ハローワークへ相談する場合は、退職理由を確認できる資料があると説明しやすくなります。
・退職勧奨のメールや書面
・会社からの通知書
・給与明細
・通帳の入金記録
・タイムカードや勤怠記録
・雇用契約書
・就業規則
・ハラスメントの記録や相談履歴
資料がない場合でも、まずはハローワークに相談することが大切です。
解雇予告手当とは
解雇予告手当とは、会社が労働者を解雇する際に、必要な予告期間を設けなかった場合に支払う手当です。
会社が労働者を解雇する場合は、原則として少なくとも30日前に予告しなければなりません。
30日前までに予告しない場合は、不足する日数分の平均賃金を解雇予告手当として支払う必要があります。
解雇予告手当の例
10日前に解雇を伝えられた場合、本来必要な30日前の予告に20日足りません。
この場合、会社は原則として、20日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払う必要があります。
ただし、天災などやむを得ない事情がある場合や、労働者側に重大な責任がある場合など、例外もあります。
派遣社員・契約社員も離職理由の確認が大切
派遣社員や契約社員でも、離職理由の扱いは重要です。
契約期間が終わった場合でも、本人が更新を希望していたのに更新されなかった場合などは、特定理由離職者に該当する可能性があります。
派遣社員の場合、派遣先との契約が終了しても、すぐに退職扱いになるとは限りません。
まずは派遣元会社との雇用関係や、次の派遣先の紹介状況を確認する必要があります。
派遣社員・契約社員が確認したいこと
・契約更新を希望していたか
・会社側から更新しないと言われたのか
・派遣元との雇用契約が続いているか
・次の派遣先を紹介されたか
・離職票の退職理由が実態と合っているか
契約終了だからといって、必ず自己都合退職になるわけではありません。
離職票の内容に疑問がある場合は、早めにハローワークへ相談しましょう。
退職理由で迷ったときはハローワークに相談する
自己都合退職か会社都合退職かは、失業保険に大きく影響します。
特に、給付制限、受給条件、支給日数が変わる可能性があるため、離職票の退職理由は必ず確認しましょう。
会社から自己都合退職と言われた場合でも、実際の事情によっては特定受給資格者や特定理由離職者に該当することがあります。
退職理由に納得できない場合や、自分のケースがどれに当たるか分からない場合は、必要な資料を持ってハローワークに相談することが大切です。

