サービス残業とは?違法になるケースと残業代を解説

最終更新:2026年5月

残業代が出ない働き方に注意

「残業しているのに残業代が出ない」
「固定残業代だから追加の残業代はないと言われた」
「タイムカードを押したあとも仕事をしている」

このような働き方は、サービス残業にあたる可能性があります。

厚生労働省では、賃金不払残業、いわゆるサービス残業について、労働基準法違反となる場合があるとしています。

残業には、法定内残業、法定時間外労働、固定残業代など、いくつかの考え方があります。

仕組みを知らないまま働いていると、本来受け取れるはずの残業代に気づかないこともあります。

サービス残業の意味、残業代の基本ルール、固定残業代との違い、違法になるケースについて、初心者向けにわかりやすく解説します。

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残業とは何か

残業とは、会社で決められた労働時間を超えて働くことです。

ただし、残業には、

・会社の所定労働時間を超える残業
・法律で定められた労働時間を超える残業

の2種類があります。

労働基準法では、労働時間は原則として、1日8時間・週40時間までと定められています。

これを「法定労働時間」といいます。

会社が労働者に法定労働時間を超えて働かせる場合は、36協定(サブロク協定)の締結と届出が必要です。

残業にはどのような種類がある?

残業といっても、すべて同じ扱いではありません。

特に知っておきたいのが、次の4つです。

・法定内残業
・法定時間外労働
・固定残業代(みなし残業代)
・サービス残業

名前が似ているものもありますが、意味は大きく異なります。

「固定残業代があるから残業代は出ない」
「自主的に残っただけだから残業ではない」

このような説明が、必ずしも正しいとは限りません。

まずは、それぞれの違いを整理しておくことが大切です。

法定内残業と法定時間外労働の違い

残業で特に重要なのが、法定内残業と法定時間外労働の違いです。

法定内残業とは、会社の所定労働時間は超えているものの、法律上の上限である1日8時間・週40時間の範囲内に収まっている残業です。

一方、法定時間外労働とは、法定労働時間を超えて働くことです。

たとえば、

・勤務時間:9時〜17時
・休憩:1時間
・実働:7時間

の会社で20時まで働いた場合は、次のようになります。

・17時〜18時:法定内残業
・18時〜20時:法定時間外労働

法定内残業は通常賃金が必要です。

法定時間外労働については、25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。

さらに、月60時間を超える法定時間外労働については、50%以上の割増賃金が必要になります。

サービス残業とは

サービス残業とは、本来支払われるべき残業代が支払われないまま働くことです。

厚生労働省では、賃金不払残業を、時間外労働などに対して賃金や割増賃金を支払わないことと説明しています。

会社が把握しているにもかかわらず、残業代を支払わない場合は、労働基準法違反となる可能性があります。

特に、次のようなケースは注意が必要です。

・タイムカードを押したあとに仕事をする
・始業前の準備作業を毎日行っている
・持ち帰り仕事をしている
・残業申請しなかった時間が切り捨てられる
・上司が黙認している残業がある
・「固定残業代だから追加なし」と説明される

本人が自主的にやっているつもりでも、会社が業務として認識していれば、労働時間と判断される場合があります。

入社後に労働条件や残業の扱いで違和感がある方は、入社後によくあるトラブル|労働条件の違い・人間関係の悩みも参考にしてください。

固定残業代(みなし残業代)とは

固定残業代とは、一定時間分の残業代を毎月あらかじめ支払う制度です。

「みなし残業代」
「見込み残業代」
「固定残業手当」

など、会社によって呼び方が違う場合があります。

ただし、固定残業代があるからといって、どれだけ残業しても追加の残業代が不要になるわけではありません。

重要なのは、

・何時間分の残業代なのか
・固定残業代はいくらなのか
・基本給と分けて明示されているか
・超過分を別途支払うのか

が明確になっていることです。

たとえば、30時間分の固定残業代が含まれている会社で、実際には45時間残業した場合は、超えた15時間分を追加で支払う必要があります。

固定残業代が問題になるケース

固定残業代は、それ自体が違法というわけではありません。

しかし、運用方法によっては問題になるケースがあります。

たとえば、

・基本給と固定残業代が区別されていない
・何時間分なのか書かれていない
・超過分が支払われない
・実際には長時間残業が常態化している
・求人票と実際の条件が違う

このような場合は注意が必要です。

特に、「固定残業代込みだから残業代は発生しない」という説明だけでは、適法とは限りません。

時間外労働には上限がある

残業時間には上限があります。

働き方改革関連法により、時間外労働の上限は、原則として、

・月45時間
・年360時間

までとされています。

特別条項付き36協定がある場合でも、無制限に残業できるわけではありません。

・時間外労働と休日労働の合計は月100時間未満
・2〜6か月平均で80時間以内
・月45時間超は年6回まで

という制限があります。

会社がこれらを超えて長時間労働をさせた場合、罰則の対象になる可能性があります。

年俸制でも残業代が必要な場合がある

年俸制で働いている場合でも、原則として残業代は発生します。

年俸制とは、1年間の給与総額をあらかじめ決める給与制度です。

そのため、

・法定時間外労働
・休日労働
・深夜労働

を行った場合は、割増賃金が必要になります。

年俸制だから残業代が一切出ない、というわけではありません。

固定残業代が含まれている場合も、超過分の残業代は別途必要になるケースがあります。

残業代が出ないときに確認したいこと

残業代に疑問を感じた場合は、まず労働時間と給与内容を確認することが大切です。

特に確認したいのは次の点です。

・雇用契約書
・労働条件通知書
・就業規則
・給与明細
・タイムカードや勤怠記録
・固定残業代の内容
・残業申請ルール

また、実際の勤務記録を残しておくことも重要です。

・勤怠システム
・メール送信履歴
・パソコンのログイン履歴
・業務チャットの記録

などが、労働時間の確認材料になる場合があります。

残業を断れない雰囲気や職場での圧力がある場合は、職場ハラスメントの種類と対策|相談先や具体例を解説も参考にしてください。

サービス残業を放置しないことが大切

サービス残業は、単に「残業代が出ない」という問題だけではありません。

長時間労働や心身の負担につながることもあります。

「これって残業になるの?」
「固定残業代だから仕方ない?」

と感じた場合は、そのまま放置しないことが大切です。

労働条件や勤務記録を確認し、不明な点がある場合は、労働基準監督署や総合労働相談コーナーなどの公的機関へ相談する方法もあります。

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