2021年度の前半期、平均残業時間は月におよそ24時間を超えているというデータがあります。
業種によっては40時間を超えている人もいるようですが、働き方改革によって残業時間はここ数年で大幅に減ってきています。
日本人労働者には避けては通れない残業の常識についてわかりやすく解説します。
残業の種類について
残業とは、原則「1日8時間、1週間に40時間」である法廷労働時間を超えての労働は、労働基準法によって禁止されていますが、これを超える時間外労働に対しては賃金の支払いが義務づけられています。これが残業代になります。
残業と言っても、事情によっていくつかの種類に分類され認識されることがあります。
残業名 | |
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みなし残業 | みなし残業は外回りの営業職に多く、1日の残業時間を把握するのが難しい場合、給与に予め残業代を含ませておくことになります。思ったより早く仕事が終わった日でも残業代が支給されるため、時間内に仕事を納めようと社員のモチベーションを上げることで効率化が図れるかもしれません。 |
固定残業、 見込み残業 | 固定残業・見込み残業は、呼び方が異なるだけで、みなし残業と同じ意味になります。 |
サービス残業 | サービス残業とは、残業代を支給しないで労働者に時間外労働や休日労働を行わせることです。これは労働基準法に違反しています。労働者が自発的に朝早くに出勤し、タイムカードを押さずに仕事をするのもサービス残業と同じで雇用側の処罰の対象になります。 |
法廷内残業と法定時間外残業
残業には、法廷内残業と法定外残業(法廷時間外労働)の2種類があります。
法廷内残業は、会社が規定している所定労働時間を超え、労働基準法による労働時間内の中で行われた残業を指します。
一方、法廷時間外労働は、労働基準法の労働時間を超えた残業のことです。
例えば、朝9時から17時までの勤務で休憩を1時間取った場合、1日7時間が会社の所定労働時間として決められていることになります。
この労働者がある日20時まで残業することになると、17時から18時までが法廷内残業、18時から20時までが法廷外残業になります。
法廷内残業では「法廷時間内残業の時間×1時間あたりの賃金」、法定外残業では「法廷時間外残業の時間」×1時間あたりの賃金×1.25」が支払われなければならないと決められているのです。
時間外労働の上限について
働き方改革の取り組みの一環として2019年から、時間外労働の上限制が導入され、原則的に時間外労働の上限は月に45時間、年間360時間になります。
特別な事情がない限りはこれが適用され、守られない場合には雇用側に罰則が科せられる可能性があります。
年俸制の残業
年俸制で給与を受け取っている人の残業はどうなるのでしょうか。
結論から言うと、年俸制でも月給制の労働者と同様に時間外労働に関しては残業代が支払われなければなりません。
しかし、みなし残業代が年俸額に含まれている雇用契約の場合、残業代が支払われない場合もありますが、もちろん既定の時間外労働時間を越した分は、雇用側が残業代を支払われなければなりません。