職場ハラスメントの種類と対策|相談先や具体例を解説

無職の花子さん

昔に上司から何度も食事の誘いを受けたことがあったけど、あれはハラスメントだったのかしら?

ハロワ先生

その可能性はありますね。実際のハラスメント具体例と、その対処法について一緒に見ていきましょう。

最終更新:2026年5月

職場のハラスメントとは

職場のハラスメントとは、相手を傷つけたり、働きにくい環境をつくったりする嫌がらせ行為のことです。

本人に悪気がなくても、発言や態度によって相手が精神的な苦痛を受けたり、仕事に支障が出たりする場合は、ハラスメントにあたることがあります。

代表的なものには、パワハラ(パワーハラスメント)、セクハラ(セクシュアルハラスメント)、マタハラ(マタニティハラスメント)、カスハラ(カスタマーハラスメント)などがあります。

厚生労働省の調査では、過去3年間にパワハラを受けた経験がある労働者は3割を超えており、職場のハラスメントは多くの人にとって身近な問題になっています。

また、近年はハラスメントによる精神的負担が深刻化しており、厚生労働省の2024年度データでは、仕事による精神障害の労災認定件数が過去最多となりました。

その中でも、上司などからのパワハラは最も多い原因となっており、自殺や自殺未遂が含まれるケースも報告されています。

職場でのハラスメントは、個人間のトラブルではなく、働く人の健康や命にも関わる社会問題です。

「自分が我慢すればよい」と抱え込まず、早めに記録を残し、相談できる場所につなげることが大切です。

入社後の人間関係や労働条件のトラブルに悩んでいる方は、入社後によくあるトラブル|労働条件の違い・人間関係の悩みも参考にしてください。

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職場で問題になりやすいハラスメントの種類

職場では、さまざまなハラスメントが問題になっています。

上司と部下の関係だけでなく、同僚同士、取引先、顧客対応、就職活動中など、さまざまな場面で発生する可能性があります。

近年は、パワハラやセクハラだけでなく、カスタマーハラスメント(カスハラ)や就活セクハラなども社会問題として大きく取り上げられています。

職場で多い代表的なハラスメント一覧

ハラスメント名主な内容
パワハラ(パワーハラスメント)暴言、無視、過度な叱責、仕事の押し付け、仕事を与えないなど、職場での立場や関係性を背景にした嫌がらせ
セクハラ(セクシュアルハラスメント)性的な発言、身体への接触、容姿への発言、交際の強要など、性的な言動によって働きにくくする行為
カスハラ(カスタマーハラスメント)顧客や取引先からの暴言、長時間のクレーム、土下座要求、威圧的な言動など
マタハラ(マタニティハラスメント)妊娠・出産・産休取得などを理由に嫌味を言ったり、不利益な扱いをしたりする行為
パタハラ(パタニティハラスメント)男性の育休取得や育児参加に対する嫌がらせ、不利益な扱い
ケアハラ(ケアハラスメント)介護休業や介護との両立に対する嫌味、制度利用の妨害
モラハラ(モラルハラスメント)無視、陰口、人格否定、仲間外れなど、精神的に追い詰める行為
SOGIハラ性的指向や性自認に関する差別的発言、暴露、からかいなど
就活セクハラ採用面接、OB・OG訪問、インターンなどでの性的発言や不適切な誘い
アルハラ(アルコールハラスメント)飲酒の強要、一気飲みの強制、飲み会参加への圧力など

これらは、厚生労働省の指針や企業研修などでも広く取り上げられている代表的なハラスメントです。

特に、パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策は事業主の義務とされています。

また、2026年10月1日からは、カスタマーハラスメント対策や求職者等へのセクシュアルハラスメント対策も義務化されます。

残業代が出ない働き方やサービス残業が気になる方は、サービス残業とは?違法になるケースと残業代を解説も参考にしてください。

最近話題になることがあるハラスメント一覧

ハラスメント名主な内容
フキハラ(不機嫌ハラスメント)不機嫌な態度や無言、ため息、舌打ちなどによって、相手へ精神的な圧力を与える行為として使われる俗称
テクハラ(テクニカルハラスメント)IT機器やシステム操作が苦手な人を見下したり侮辱したりする行為
リモハラ(リモートハラスメント)テレワーク中の過度な監視、威圧的なチャット、私生活への過干渉など
ジェンハラ(ジェンダーハラスメント)「男だから」「女だから」と性別役割を押し付ける発言や扱い
エイハラ(エイジハラスメント)年齢を理由に能力を否定したり、差別的な扱いをしたりする行為
ジタハラ(時短ハラスメント)業務量を減らさず、残業だけを禁止する行為
カシハラ(菓子ハラスメント)お菓子やお土産を特定の人にだけ配らず、仲間外れにする行為として使われる俗称

これらは、SNSやメディアなどで使われることがある俗称です。

法律上の正式な分類名ではありませんが、内容によっては、パワハラ、モラハラ、人間関係からの切り離しなどに該当する可能性があります。

職場でハラスメントを受けたときの対処法

職場でハラスメントを受けても、すぐに相談できるとは限りません。

「相談したことで職場に居づらくなるのではないか」「相手に知られて報復されないか」「自分にも原因があると言われるのではないか」と不安になる方も多いです。

しかし、ハラスメントを我慢し続けると、心身の不調や欠勤、休職、退職につながることがあります。

ハラスメントが原因で退職を考えている方は、退職時によくあるトラブルと対処法も参考にしてください。

まずは、起きた出来事をできる範囲で記録しておくことが大切です。

記録しておきたい内容

・いつ起きたのか
・どこで起きたのか
・誰から言われた、またはされたのか
・どのような発言や行為だったのか
・周囲に見ていた人がいたか
・メール、LINE、チャット、録音、写真などの証拠があるか
・仕事や体調にどのような影響が出ているか

厚生労働省の「あかるい職場応援団」でも、相談対応では行為者、問題行為がいつ・どこで・どのように行われたか、心身の状況、本人が望む解決方法などを確認する流れが示されています。

記録は、相手を責めるためだけのものではありません。

相談先に状況を正確に伝え、自分を守るための材料になります。

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職場のハラスメントはどこに相談する?

ハラスメントを受けたときは、会社の相談窓口、人事部、コンプライアンス窓口、信頼できる上司、労働組合などへ相談する方法があります。

ただし、加害者が上司だったり、会社へ相談すると不利益を受けそうだったりする場合は、社内だけで解決しようとしなくても大丈夫です。

会社へ伝える前に、外部の相談窓口で状況を整理する方法もあります。

主な相談先

・会社の相談窓口
・人事部、コンプライアンス窓口
・信頼できる上司
・労働組合
・総合労働相談コーナー
・都道府県労働局
・法テラス
・弁護士
・こころの耳などのメンタルヘルス相談窓口

総合労働相談コーナーでは、解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、いじめ・嫌がらせ、パワハラなど、幅広い労働問題について相談できます。性的指向・性自認に関する労働問題や、就活生からの相談にも対応しています。

相談時は、いつ・どこで・誰から・どのような言動があったのかを整理しておくと、状況を伝えやすくなります。

メールやLINE、録音データなどが残っている場合は、相談時の参考資料になることがあります。

また、ハラスメントによって出勤がつらくなった、眠れなくなった、体調を崩したなど、仕事や生活への影響も無理のない範囲で伝えるとよいでしょう。

ハラスメント相談が怖い・不安なときは

ハラスメントの相談は、とても勇気がいる行動です。

相談した人が責められたり、職場で不利な扱いを受けたりするのではないかと不安になるのは自然なことです。

厚生労働省は、相談窓口について、相談者の秘密が守られること、相談によって不利益な取り扱いを受けないことを明確にすることが重要だと示しています。

また、相談者だけでなく、事実関係の確認に協力した人が不利益な取り扱いを受けないようにすることも必要とされています。

社内へ相談しにくい場合は、総合労働相談コーナーや都道府県労働局など、外部の窓口を利用する方法もあります。

「会社に言う前に整理したい」「ハラスメントにあたるのか確認したい」「今後どう動けばよいか知りたい」という段階でも、相談先を利用できます。

職場でハラスメントを見かけたときの対処法

職場でハラスメントを見かけた場合も、対応には慎重さが必要です。

被害を受けている人を助けたいと思っても、本人の気持ちを確認せずに話を広げると、かえって本人がつらい立場になることがあります。

まずは、被害を受けている人に声をかけ、本人がどうしたいのかを尊重しましょう。

見かけた人ができる対応

・被害を受けた人に声をかける
・本人が望む場合は相談窓口を一緒に確認する
・見聞きした日時や内容を記録しておく
・本人の同意を得たうえで相談窓口へ同行する
・緊急性が高い場合は人事部や相談窓口へ伝える

第三者が相談する場合も、推測ではなく、見聞きした事実を伝えることが大切です。

「嫌がっていたと思う」ではなく、「いつ、どこで、誰が、どのような発言をしていたのか」を整理して伝えると、相談先も状況を確認しやすくなります。

職場ハラスメントを通報するときの注意点

ハラスメントを通報する側も、大きな不安を抱えることがあります。

「告げ口をしたと思われないか」「自分が職場で孤立しないか」と悩み、行動できなくなる方もいます。

そのため、まずは会社の相談窓口、労働組合、人事部など、相談体制が整っている窓口を利用するのが基本です。

会社には、相談者や協力者が不利益な取り扱いを受けないようにすること、秘密が守られることを明確にすることが求められています。

また、法令違反に関する通報については、公益通報者保護法の対象になる場合があります。

公益通報者保護法では、要件を満たす公益通報をしたことを理由とする解雇は無効とされ、解雇以外の不利益な取り扱いも禁止されています。

ただし、すべてのハラスメント相談が公益通報にあたるわけではありません。

通報内容や通報先によって扱いが変わるため、不安がある場合は、労働局、弁護士、公益通報者保護制度の相談窓口などで確認すると安心です。

会社に求められるハラスメント対策義務とは

職場のハラスメントは、個人同士の問題だけではありません。

会社には、ハラスメントを防ぐための方針を示し、相談窓口を整備し、相談があった場合に適切に対応することが求められています。

パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策は、事業主の義務です。

さらに、2026年10月1日からは、カスタマーハラスメント対策と求職者等へのセクシュアルハラスメント対策も事業主の義務になります。

ハラスメントを放置すると、被害を受けた人の心身に大きな負担がかかります。

休職や退職につながるだけでなく、職場全体の雰囲気悪化や離職にもつながります。

ハラスメントは証拠を残して早めに相談することが大切

職場のハラスメントは、被害を受けた本人が声を上げにくい問題です。

「これくらい我慢するべきではないか」と悩み、長く抱え込んでしまう方もいます。

しかし、つらい状態を我慢し続ける必要はありません。

ハラスメントを受けたと感じたときは、日時や内容を記録し、メールやLINE、録音などの証拠をできる範囲で残しておくことが大切です。

社内へ相談しにくい場合は、総合労働相談コーナーなどの外部窓口も利用できます。

ひとりで抱え込まず、まずは状況を整理しながら、相談できる場所につなげていきましょう。

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