無職の花子さん国民年金の保険料が安くできるって本当?



失業された方は特例によって国民年金の保険料が免除される制度があります。
最終更新:2026年5月
国民年金保険料の免除・猶予とは


収入の減少や失業などで国民年金保険料を納めることが難しい場合は、保険料の免除制度や納付猶予制度を利用できる場合があります。
国民年金保険料を未納のままにすると、将来受け取る老齢基礎年金が減るだけでなく、障害基礎年金や遺族基礎年金に影響する場合があります。
そのため、保険料を払えないときは放置せず、早めに市区町村役場や年金事務所へ相談することが大切です。
免除や納付猶予が承認された期間は、あとから10年以内であれば追納できます。
追納することで、将来受け取る老齢基礎年金の額を増やすことにつながります。
国民年金保険料の支払いが困難な方のために保険料の免除制度・納付の猶予制度というものがあります。国民年金保険料の支払期限は通常2年間ですが、この免除申請が承認されれば10年以内となります。
免除すれば払わなくていいのかと勘違いされる方がいますが、将来貰う年金が減額になったり、他の年金(老齢・障害・遺族)の受け取れなくなる場合があります。
国民年金の保険料を未納のままにはせず、一時的に保険料納付が困難という方は事前に相談しておきましょう。
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国民年金保険料の免除制度とは
国民年金保険料の免除制度とは、所得が少ない場合や失業した場合などに、申請して承認されると保険料の全部または一部が免除される制度です。
対象になるのは、主に自営業、フリーランス、無職、アルバイトなどの国民年金第1号被保険者です。
国民年金と厚生年金の違いや加入区分を確認したい方は、国民年金と厚生年金の違いを超わかりやすく解説も参考にしてください。
免除には次の4種類があります。
・全額免除
・4分の3免除
・半額免除
・4分の1免除
免除が認められるかどうかは、本人だけでなく、配偶者や世帯主の所得も含めて審査されます。
そのため、本人の収入が少なくても、配偶者や世帯主の所得によっては免除が認められない場合があります。
国民年金保険料の納付猶予制度とは
納付猶予制度とは、国民年金保険料の支払いを後払いにできる制度です。
2026年現在、対象になるのは20歳以上50歳未満の方で、本人と配偶者の所得が一定以下の場合です。
免除制度との大きな違いは、世帯主の所得が審査対象に含まれない点です。
また、納付猶予は保険料の支払いそのものが免除される制度ではありません。
承認された期間は年金の受給資格期間には含まれますが、追納しない限り、老齢基礎年金の金額には反映されません。
学生は学生納付特例制度を利用する
学生の場合は、原則として免除制度や納付猶予制度ではなく、学生納付特例制度を利用します。
学生納付特例制度は、学生本人の所得が一定以下の場合に、国民年金保険料の納付が猶予される制度です。
学生の方が保険料の支払いに困っている場合は、免除申請ではなく、学生納付特例の対象になるかを確認しましょう。
免除・納付猶予の所得基準
免除や納付猶予が承認されるには、前年所得が一定の基準以下である必要があります。
1月から6月までに申請する場合は、前々年の所得で審査されます。
主な所得基準は次のとおりです。
| 全額免除 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
|---|---|
| 4分の3免除 | 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 半額免除 | 128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 4分の1免除 | 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 納付猶予 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
免除制度では、本人・配偶者・世帯主の所得が審査されます。
一方、納付猶予制度では、本人・配偶者の所得が審査されます。
障害者、寡婦、ひとり親に該当する場合などは基準が変わることがあるため、該当する方は窓口で確認してください。
免除後に納める保険料はいくら?
令和8年度の国民年金保険料は、月額17,920円です。
免除が承認された場合、納める保険料は次のようになります。
| 全額免除 | 0円 |
|---|---|
| 4分の3免除 | 4,480円 |
| 半額免除 | 8,960円 |
| 4分の1免除 | 13,440円 |
一部免除の場合は、免除されなかった分の保険料を納める必要があります。
たとえば半額免除が承認されても、残り半分の保険料を納めなければ、その期間は未納扱いになる場合があります。
免除・猶予を受けると年金額はどうなる?
免除や納付猶予を受けると、未納よりは有利になりますが、将来の年金額に影響があります。
免除の場合は、免除の種類に応じて老齢基礎年金の金額に反映されます。
| 全額免除 | 全額納付した場合の2分の1 |
|---|---|
| 4分の3免除 | 全額納付した場合の8分の5 |
| 半額免除 | 全額納付した場合の8分の6 |
| 4分の1免除 | 全額納付した場合の8分の7 |
納付猶予は、老齢基礎年金の受給資格期間には含まれますが、年金額には反映されません。
そのため、将来の年金額を増やしたい場合は、あとから追納を検討する必要があります。
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失業した場合は特例免除を利用できる場合がある
失業、倒産、事業の廃止などで保険料の支払いが難しくなった場合は、特例免除を利用できる場合があります。
失業等による特例免除では、失業した本人の前年所得にかかわらず、免除や納付猶予の審査を受けられます。
ただし、配偶者や世帯主の所得は審査対象になるため、必ず承認されるわけではありません。
申請時には、失業したことを確認できる書類が必要です。
退職後に必要な年金・健康保険・失業保険の手続きは、退職時にやること完全ガイド|必要な手続き・注意点を解説も参考にしてください。
主な書類は次のとおりです。
・雇用保険被保険者離職票のコピー
・雇用保険受給資格者証のコピー
・雇用保険受給資格通知のコピー
・雇用保険被保険者資格喪失確認通知書のコピー
個人事業主が廃業した場合は、廃業届の写しなど、事業を廃止したことが分かる書類が必要になることがあります。
災害・DVなどによる特例もある
所得基準とは別に、特別な事情がある場合は免除や納付猶予が認められることがあります。
主な例は次のとおりです。
・震災、風水害などで被災した方
・特別障害給付金を受けている方
・配偶者からの暴力により、配偶者と住所が異なる方
・生活保護の生活扶助以外の扶助などを受けている方
配偶者からの暴力を受けている場合は、配偶者の所得を審査対象にしない特例があります。
該当する方は、通常の免除申請とは必要書類が異なる場合があるため、年金事務所や市区町村の窓口で確認してください。
2026年10月から育児免除制度が始まる
2026年10月から、子を養育する国民年金第1号被保険者を対象に、国民年金保険料の育児免除制度がスタートしています。
対象は、令和8年10月1日以降、1歳になるまでの子を養育する実父母・養父母です。
この制度は、所得に関係なく申請できる点が特徴です。
また、育児免除期間は、保険料を納付したものとして老齢基礎年金の受給額に反映されます。
通常の所得による免除制度とは扱いが異なるため、子育て中の方は確認しておくと安心です。
免除・納付猶予はいつまで申請できる?
免除や納付猶予は、保険料の納付期限から2年を経過していない期間について申請できます。
具体的には、申請時点から2年1カ月前までさかのぼって申請できる場合があります。
ただし、申請が遅れると、障害基礎年金や遺族基礎年金に影響するおそれがあります。
保険料を払えない状態が続いている場合は、早めに申請することが大切です。
国民年金保険料の追納とは
追納とは、免除・納付猶予・学生納付特例を受けた期間の保険料を、あとから納める制度です。
免除や納付猶予を受けた期間は、10年以内であれば追納できます。
追納することで、将来受け取る老齢基礎年金の金額を増やすことにつながります。
また、追納した保険料は社会保険料控除の対象になります。
追納すると将来の年金額は増える?
日本年金機構では、1年間分を追納した場合の年金額の増加目安として、次のように案内しています。
・全額免除の期間を1年分追納:老後の年金が年間で約1万円増える
・納付猶予や学生納付特例の期間を1年分追納:老後の年金が年間で約2万円増える
納付猶予や学生納付特例は、追納しないと年金額に反映されません。
そのため、余裕ができたときに追納を検討する方も多くいます。
追納には期限と加算額がある
追納できるのは、追納が承認された月の前10年以内の免除等期間に限られます。
また、免除や猶予を受けた期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納する場合は、当時の保険料に加算額が上乗せされます。
つまり、追納するなら早い方が負担を抑えやすくなります。
追納は、原則として古い期間の保険料から納めます。
ただし、免除期間と納付猶予・学生納付特例の期間が混在している場合は、納付順序について年金事務所へ確認した方が安心です。
免除・納付猶予の申請方法
国民年金保険料の免除・納付猶予は、窓口、郵送、電子申請で手続きできます。
申請先は次のとおりです。
・住んでいる市区町村役場の国民年金担当窓口
・年金事務所
・マイナポータルを利用した電子申請
申請時に必要になる主なものは次のとおりです。
・基礎年金番号が分かる書類
・マイナンバーが分かる書類
・本人確認書類
・失業等による特例を受ける場合は、離職票や雇用保険受給資格者証などの写し
通常、所得証明書は不要とされています。
ただし、所得の申告をしていない場合は、市区町村民税の申告が必要になることがあります。
追納の申請方法
追納を希望する場合は、年金事務所に「国民年金保険料 追納申込書」を提出します。
申込後、日本年金機構から追納用の納付書が届きます。
追納保険料は、次の方法で納付できます。
・金融機関
・郵便局
・コンビニエンスストア
・Pay-easy
・スマートフォンアプリ
追納は、通常の保険料とは納付方法が異なる点があります。
口座振替やクレジットカードでは追納できないため、届いた納付書を使って支払います。
保険料を払えないときは早めの申請が重要
国民年金保険料を払えないときに一番避けたいのは、何も手続きをせずに未納のまま放置することです。
免除や納付猶予が承認されれば、老齢基礎年金の受給資格期間に含まれます。
また、一定の要件を満たせば、障害基礎年金や遺族基礎年金にもつながります。
一方、未納のまま放置すると、将来の年金額だけでなく、万一のときの保障にも影響する場合があります。
保険料を納めるのが難しい場合は、早めに免除・納付猶予の申請を検討することが重要です。

