国民年金保険料の支払いが困難な方のために保険料の免除制度・納付の猶予制度というものがあります。
国民年金保険料の支払期限は通常2年間ですが、この免除申請が承認されれば10年以内となります。
免除すれば払わなくていいのかと勘違いされる方がいますが、将来貰う年金が減額になったり、他の年金(老齢・障害・遺族)の受け取れなくなる場合があります。
国民年金の保険料を未納のままにはせず、一時的に保険料納付が困難という方は事前に相談しておきましょう。
国民年金保険料免除の対象者とは
国民年金保険料を納めることが経済的な理由により困難な方が対象になります。
正確にいうと第1号被保険者(自営業・自由業・アルバイト等)で、本人・配偶者・世帯主それぞれの所得が一定基準以下の方が対象です。
免除を受けるための所得基準とは
免除が承認されるには、審査対象者(申請者本人・配偶者(未届の妻・夫を含む)・世帯主)それぞれの所得が基準以下に該当していることが必要です。
配偶者ですが、別居中や生計同一ではない場合も含まれます。
審査対象者(本人・配偶者・世帯主)の前年所得(1~6月は前々年)が下記の計算式で計算した金額の範囲内であることが条件になります。
免除率 | 免除される所得の目安 |
---|---|
全額免除 | 前年所得が(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円の金額の範囲内である場合※単身世帯の場合は57万円。 |
4分の3免除 | 前年所得が78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等の金額の範囲内である場合※単身世帯の場合は78万円。 |
半額免除 | 前年所得が118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等の金額の範囲内である場合※単身世帯の場合は118万円。 |
4分の1免除 | 前年所得が158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等の金額の範囲内である場合※単身世帯の場合は158万円。 |
※障害のある方や寡婦である場合は、前年所得が125万円以下になります。
国民年金保険料の免除後の保険料
全額免除 | 4分の3免除 | 半額免除 | 4分の1免除 | |
免除額 | 16,610円 | 12,460円 | 8,300円 | 4,150円 |
保険料 | 0円 | 4,150円 | 8,310円 | 12,460円 |
特例による国民年金保険料の免除
前項で説明した所得基準以外に特例による国民年金保険料の免除が受けらえるケースがあり、失業者の方はこちらが対象になります。
②災害による特例
③特別障害給付金を受給している方
④配偶者からの暴力(DV)を受けた方
①失業による特例
失業された方は、雇用保険被保険者離職票、雇用保険被保険者資格喪失確認通知書、雇用保険受給資格者証、雇用保険被保険者資格取得届出確認照会回答書、退職辞令のいずれか1点の写しを提出し、申請することで特例として免除が承認されます。
但し、特例にならない場合もございますので直接ご確認ください。
②災害による特例
災害によって被保険者の所有する住宅、家財、その他の財産の被害金額がおおよそ2分の1以上の損害を受けた方が特例免除の対象になります。
③特別障害給付金を受給している方の特例
特別障害給付金の受給証(ご本人)を提出することで、所得審査の対象から除かれます。
④配偶者からの暴力(DV)を受けた方の特例
配偶者からの暴力で配偶者(DV加害者)と住居が異なる方は、配偶者の所得に関わらず本人の所得が基準以下であれば、特例免除が受けられます。
国民年金保険料の猶予制度とは
学生や20歳以上50歳未満の人で、本人やその配偶者の前年所得(1~6月は前々年の所得)が一定額より低い場合、申請が認められると保険料納付の猶予が認められます。
最近では新型コロナウイルスの経済活動が制限されている影響で、生活が困難となった場合に適用される臨時特例手続きもありますので、該当する場合は手続きを行いましょう。
国民年金保険料の免除・納付猶予の申請方法
国民年金保険料の免除・納付猶予の申請は、お住まいの市区町村役場の窓口、または年金事務所へ郵送で行います。
準備する必要な書類は、年金手帳や基礎年金番号通知書等の基礎年金番号がわかる書類、マイナンバーカードかマイナンバーが記載された住民票など、本人確認ができる書類が必要になります。
特例免除で申請をされる方は別途用意する書類がありますので直接ご確認ください。